令和5年第4回杉並区議会定例会、および令和5年第2回臨時会が終わりました。就任以来、区議会傍聴に来てくださり、またオンラインで議会中継を視聴してくださっている区民の皆さん、本当にありがとうございます。
12月24日、議会報告もかねたクリスマス街宣を阿佐ヶ谷駅と荻窪駅で行いました。「対話の区政をみんなとともに、もう一歩前へ」との思いでお話ししました。世界に目を向けると、ウクライナ、そしてガザで武力が行使され続けています。平和なくして、私が求める対話・協調・理解・寛容・正義はありません。平和と地域主権――〈地域のことは地域で決める〉を、杉並から発信し、私たちの力で民主主義と自治を深化させる歩みをたゆみなく進めていきましょう。
議会における発言に対して
しかし、残念ながら杉並区議会では、第4回区議会定例会最終日、田中ゆうたろう議員の議案に対する討論において、事実誤認に基づく発言や私に対する侮辱、誹謗中傷にあたる発言が複数ありました。とりわけ、私への批判をあげつらった上での「杉並区民なんて死ねばいいと思っているんじゃないですか、はっきり言って」との発言は、私に対する侮辱であるばかりか、区長選挙で私に投票した区民への冒涜にもあたる発言です。このような発言は、民主主義の根幹を揺るがしかねない問題であり、12月11日付で私は区長として「区議会での発言に対する抗議」を杉並区議会議長あてに送りました。
その中で、「このような発言がなされたことは極めて遺憾であり、到底看過できるものではありません。(中略)当該議員の発言の撤回はもとより、区議会としての厳正な対処を求めるものです」と記載しました。
また、杉並区議会においても、12月20日には8会派、23人の議員が田中ゆうたろう議員あてに抗議文を提出しています。抗議文では、「区長に対し『杉並区民なんか死ねばいいと思っているんじゃないですか、はっきり言って。』と身勝手な推測に基づくと思われる発言をしています。これは、区長に対しての侮辱発言であると同時に、区長を信任した区民をも侮辱する発言であります」と強く非難し、「議場におけるデマや誹謗中傷等の発言を猛省し、真摯な態度で議会に臨むよう」強く求めています。
そして杉並区民からも、同議員の不適切な発言に対する抗議文や、地方自治法、杉並区議会会議規則に則った健全な議会運営に関する要望書など、複数の文書が議長、副議長あてに提出されています。
一歩ずつ進む区政
一方、杉並区議会での攻撃的なやり取りが強調されがちですが、区議会は2023年4月の統一地方選挙で男女ほぼ同数のパリテを実現し、新人の女性議員が複数誕生しました。それ以来、議会では区民の生活と命を守る重要な議論が進んでいます。
◆区内中小事業者を対象として光熱費高騰緊急対策助成金の申請を2月29日まで延長しました。
◆両親そろって育児休業を取る際に、上のお子さんが29日を過ぎた時に保育園を退所しなければならないルールを改めました。両親そろって育休を活用し、かけがえのない時間をお子さんと過ごしてもらいたいと思います。
◆区立施設再編整備計画は施設マネジメント計画として生まれ変わります。計画策定のプロセスにおいて、施設利用者や地域の実情を一番理解している地域住民と共に、どのような施設を整備していくべきかを考えていくこととします。
◆指定管理者制度の検証の結果、指定管理者は、公の施設を区と共に運営していくパートナーとして位置づけ、今後は杉並区施設運営パートナーズ制度の愛称を用いることになりました。地域との連携や情報公開のほか、環境問題、ジェンダー平等の実現などの区の政策に対する考え方を共有し、区・指定管理者が連携を密にしながら、透明性があり、満足度の高い運営を目指します。さらに、区職員のサービスに関する知識等を蓄積していくことが不可欠とし、施設の特性に応じて一定程度の施設を直営の運営とすることも示しました。
◆区立児童相談所を設置する準備が進んでいます。そのために区役所に隣接する阿佐谷南児童館を閉鎖しなければなりません。保護者、地域の議員、子ども家庭部の職員がともに話し合って、乳幼児や小学生の居場所を学校以外にも作ろうと尽力してきたことが実りました。子どもの居場所づくり方針を作るまでの間、試験的に産業商工会館の一室を使って月に二回の出前児童館を行います。さらに、乳幼児の居場所を暫定的に区役所内に作ります。また、区議会では児童福祉職員の重要性が確認されました。
◆区民参加型予算は約2500の投票を区民からいただきました。その際にいただいたご意見の多くは前向きなものでした。制度への懸念や提案もいただきましたのでそのすべてを公表し、区民が区財政をより身近なものにするために、また参加型民主主義を具体的にすすめるために、来年度の制度設計に活かしていきます。